離婚原因についての解説

民法には、763条以下に離婚についての定めがおかれています。

その中で民法770条には、裁判で離婚が認められるための条件ともいうべき「離婚原因」が定められています。

民法770条一項に記載されている「離婚原因」は5つあり、

①配偶者に不貞な行為があったとき

②配偶者から悪意で遺棄されたとき

③配偶者の生死が三年以上明らかでないとき

④配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき

⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

となっています。

実際の裁判で最も多く用いられるのは、五号の「その他婚姻を継続し難い重大な事由がある」です。

具体的にみると千差万別な、数多くの事例をこの中に含めて、裁判所は離婚を成立させています。

前回、話し合いで解決する離婚のことは「協議離婚」といいますが、現実にはそれ以外の、話し合いでは解決できない離婚のケースが数多くあると、述べました。

その場合の離婚の形として代表的なものに「裁判離婚」があります。

この「裁判離婚」においては、上記の「離婚原因」のうち少なくとも一つに該当する事実が存在することが、必要条件となっています。

民法770条一項一号から四号にあたる理由で離婚をするケースは、非常に稀であると思われます。

例えばよく耳にする「性格の不一致」などは、それが五号の「婚姻を継続し難い重大な事由」であると認められれば、離婚が成立するということなのでしょうね。