婚姻を継続し難い重要な事由の解釈

民法770条1項5号には、「離婚原因」として「その他婚姻を継続し難い重要な事由があるとき」と定められています。

この言葉はさまざまな解釈ができそうです。

事実、数多くの事例が、この民法770条1項5号にあたるとして、これまでに離婚を認められてきました。

今回は、具体的にどのような事例があるのか、一緒に見ていきましょう。

「奥さんが食事を作ってくれない。」

「夫の収入が少なすぎて、もう愛情をもてなくなった。」

「毎晩いびきがうるさすぎて、全く寝られない。おかげで自分は不眠症になってしまった。」

「夫のおならがストレスだ。」

などなど。

これを読んで唖然とする人も多いのではないでしょうか。

「こんなことで裁判所が離婚を認めているようでは、日本の夫婦は離婚だらけになってしまうじゃないか!」と、憤りを覚える人もいるかと思います。

もちろん、裁判所もあらゆる事情を考慮した上で、慎重に判断をおこないます。

その上で「本人達の真の幸せを考えたとき、もはや夫婦として一緒にいることが適当でない」と思われるときには、離婚を認めているようです。

夫婦間の問題だけでなく、同居の家族とのトラブルが原因となって、離婚にいたるケースもあります。

「夫が実の親の面倒を全く見ないで、妻の自分にばかり介護を押しつける。」

「義理の両親が孫を甘やかしすぎて、自分の考える子育てができない。」

「姑が口うるさくて、精神的におかしくなりそう。」

など、こちらの理由もさまざまです。

「離婚原因」とまではいえないケースも多くありますが、第三者からみても「婚姻関係がすでに破綻している」と考えざるを得ないような場合には、「離婚原因」を幅広く解釈して離婚を認めているように思われます。